三菱ジープの軌跡.その2
三菱ジープの国産化
この契約に基づいていよいよジープの国産化が図られることになったが、折から、1953(昭和28)年以降、ウイリス社では、ゴーデビル・エンジン搭載のCJ3AからFヘッド70馬力のハリケーン・エンジンに換装した新型車、CJ3Bに生産が切り替えられており、三菱が1953(昭和28)年7月から生産した国産車もこのCJ3Bがモデルとなった。
そして、新三菱重工業での型式名を、民間用はJ3、それを軍用化したのをJ4と称した。最初にCJ3Aをノックダウン生産した林野庁等向けをJ1とし、当時の警察予備隊ないし保安隊向けをJ2としたのに続いて、新型車のCJ3Bを国産化して、J3、J4としたのである。
J3の主な仕様は全長3,390mm、全幅1,655mm、ホイールベース2,032mm、車両重量1,085kg、2,199cc、76馬力のJH4型エンジン搭載、4人乗りもしくは2人乗り250kg積みであった。J4は、J3より全長が60mm、全幅が71mm、全高が49mm小さく作られ、J3は6V電装、J4は12V電装であった。