三菱ジープ歴代ガソリンエンジン.その6

G54B

最初で最後の最強ジープと呼ばれたのは、2.6リッターのアストロンG54B型エンジンを搭載したJ57だった。
G54B型はギャランやエテルナなどに搭載されていたモデルと基本的に共通だが、サイレントシャフトなどが省かれている。なおG54B型は4G53型をベースにG52B型同様、超希薄燃焼方式のMCA-JETや、カムシャフトのカム高を抑えるなど対策を施し、排出ガス規制をクリアさせている。またこれらの対策によるパワーダウンを避けるため、ボアを拡大して総排気量が2,555ccまで引き上げられた。
当時、国産4×4の中で特にホットなG54B型エンジンは、J57よりも400kgほど重いJ37を軽々と走らせる絶対パワーもあり、ガソリンジープの地位を揺るぎないものにした。
しかしG52B型同様、G54B型も1986(昭和61)年春に実施された類別整理によって、生産中止となってしまった。
ガソリンエンジンを搭載したジープの歴史はここで幕を閉じることとなり、後はディーゼルエンジンのハイパワー化が課題となったのだ。

型式 G54B
燃料 ガソリン
ボア×ストローク(mm) 91.1×98
排気量(cc) 2,555
弁配置 OHC
圧縮比 8.2
最高出力(PS/rpm) 120/5,000
最大トルク(kgm/rpm) 21.3/3,000
搭載車種 J-J57、J27、J37、J47
生産時期 昭和55年~昭和61年