三菱ジープ歴代ガソリンエンジン.その7
G52B
アストロンG52B型エンジンは4G52型をベースとして、昭和56年排出ガス規制をクリアするための改良が施されたエンジンである。
排出ガス規制対策として搭載されたMCA-JETは、ジェットバルブから燃焼室内に空気または極リーン混合気を吹き込み、燃焼室内に理想的なスワールを発生させる。それによって超希薄燃焼が可能となったのだ。
ちなみにG52B型は、総排気量2リッターを超えずに4G52型のパワーを維持し、厳しい排出ガス規制をクリアしている。
このG52B型は乗用車への搭載が中心のエンジンで、ジープシリーズに搭載されたのはJ59のみだ。本来、乗用車用に設計されたエンジンであるため、軽快な吹け上がりや静粛性にも優れ、並行販売されていたJ57と共にマニアの間では認められたエンジンであった。
しかしガソリンエンジン搭載のジープは、全て1986(昭和61)年春に実施された類別整理によって生産中止となってしまった。ある意味で、ジープの歴史はこの時既に終わっていたのかもしれない…。
型式 G52B
燃料 ガソリン
ボア×ストローク(mm) 84×90
排気量(cc) 1,995
弁配置 OHC
圧縮比 8.5
最高出力(PS/rpm) 100/5,000
最大トルク(kgm/rpm) 16.5/3,000
搭載車種 J-J59
生産時期 昭和56年~昭和61年
三菱ジープ最終生産記念誌より