平成6年7月の三菱Jeepのカタログです。
三菱ジープとしては最終型となる三菱ジープKB-J55のカタログです。やはりJ55だけの単独カタログとなります。
表紙はゴールデンブラック仕様車ですが、J53まではフロントウインドまで倒したフルオープン状態でしたがフロントウインドは立てたままのオープン画像です。
平成5年12月に自動車Nox規制が施行されました。この法律は深刻な大気汚染を絶つ為に、特定地域内で古い商用登録の車両の車検を取らせない、また登録をさせない、という強行な法律で、これによりJ53は販売する事が出来なくなりました。
その為、新に規制に適合させた4DR5エンジンを搭載し発売したのがJ55です。J53では、直噴式の4DR6ターボディーゼルだったエンジンの燃料室を、再度過流室式に戻し、4DR5インタークーラー付きターボディーゼルとしました。
その他にも排ガス規制で最も有効なEGRを装着し、燃料噴射タイミングと噴射量の適性化を図る為、燃料噴射ポンプを列型からEVポンプへ変更するなど環境に対応した仕様のJeepでした。
J55はさすがに三菱自動車が最後に販売をしたジープだけあってかなりの個所が改良や変更を受けました。外観での変更点は、ワイパーが3連式になり払拭面積が広がり、リヤのバンパーが左右に付けられ、吸気経路がラジエターグリルから、ボンネットサイドの左フェンダーの上に変更されました。
車内でも、シートベルトのバックルマウントにカバーが装着され、シートベルト非装着警告灯とウォーターセパレートインジケーターが付けられ、ラジオもデジタル式になり、シート生地やサンバイザーの難燃化や、エンジンの熱量アップによるヒーターの能力アップ、燃料タンク回りの改良等があります。
他にも、ラジエターのサイズアップ、クーリングファンの大型化、クロスメンバーの形状変更、ステアリングのドラックリンクのグリスニッブルの位置の変更、リヤデフのサイズアップ、トランスミッションのベアリングの大型化、フロントブレーキのバックプレートの強化等の変更点があります。
しかし、以前より意見が出ていたブレーキのディスク化や、ミッションの5速化などは最後まで行なわれませんでした。せめてラジオ位は新しくデジタル式にしたのならFM放送も聞ける様にして欲しかったものですね。