三菱ジープ歴代ガソリンエンジン.その1

L4/Godevil

L4型(ライトニング4)エンジンは、当時の新三菱重工業株式会社(現三菱自動車工業株式会社)が米国ウイリスオーバーランド社のジープCJ3Aをノックダウン生産するにあたり、コンプリートで供給されたエンジンである。
本国において“ゴーデビル”の愛称で呼ばれていたL4型エンジンは、シリンダーの側面に吸排気バルブが位置するサイドバルブ式エンジンで、燃焼室の形状がL型をしているためLヘッドエンジンとも呼ばれていた。
これには、インテークマニホールドとエキゾーストマニホールドが同側面に位置するターンフロー式が採用されている。エキゾーストマニホールドがインテークマニホールドを包み込むため、燃料の気化が促進されるのだ。
また、当初CJ3A-J1に搭載されていた電装系は6V仕様であったが、CJ3A-J2から12V仕様に変更され、さらに信頼性の高いエンジンとなった。
このL4型エンジンこそ、JH4型やKE31型といった国産ジープ搭載エンジンの礎を築いたのである。

型式 ライトニング4型またはGodevil
燃料 ガソリン
ボア×ストローク(mm) 79.4×111.1(31/8×43/8)
排気量(cc) 2,199
弁配置 Lヘッド
圧縮比 6.48
最高出力(HP/rpm) 60/3,600
最大トルク(kgm/rpm) 14.5/2,000
搭載車種 J1、J2 (CJ3A)-CKD方式生産
生産時期 昭和28年(J1:林野庁、J2:保安隊)

三菱ジープ最終生産記念誌より