三菱ジープ歴代ガソリンエンジン.その2

JH4/Harricane

L4型エンジンのLヘッドをFヘッドに改良した国産初のジープ用エンジンが、JH4型(ジャパン・ハリケーン4型)である。
吸排気バルブがシリンダーの側面にあるLヘッドに対し、Fヘッドは吸気バルブがピストン上部に位置する。排気バルブと離された吸気バルブは、バルブ径を大きくすることができ、また燃焼室もコンパクト化するので、効率的な燃焼を促すことが可能になった。ただしその代償として、バルブ機構がエンジンブロック側とシリンダーヘッド側に分割されたため複雑になったばかりか、コストアップにもつながってしまった。しかし、それにも増して60HPのL4型エンジンを、70HPにまでパワーアップできた意義は大きい。
なおJH4型はL4型に対し、エンジンヘッドが上部に延びたため、JH4型を搭載したCJ3B-J3からエンジンフード位置が高くなっているのが外観上の特徴だ。
JH4型エンジンは、1953(昭和28)年に発売されたCJ3B-J3に搭載されたのを皮切りに、1970(昭和45)年まで18年間も生産されたロングセラーエンジンである。

型式 JH4(Harricane/原型式:H4)
燃料 ガソリン
ボア×ストローク(mm) 79.4×111.1
排気量(cc) 2,199
弁配置 Fヘッド
圧縮比 6.9(前期)/7.4(後期)
最高出力(HP/rpm)70/4,000(前期)
(PS/rpm)76/4,000(後期)
最大トルク(kgm/rpm)15.0/2,400(前期)
16.4/2,400(後期)
搭載車種 CJ3B-J3、-J10、-J7、J6、CJ3B-J3R
生産時期 昭和28年7月~昭和45年(注)後期型は昭和35年以降