三菱ジープ歴代ディーゼルエンジン.その1

KE31

1958(昭和33)年当時、燃料事情が良くなかった我が国では、経済性に優れた小型ディーゼルエンジンの開発が望まれていた。そんな時期に発表されたのが、ジープ初のディーゼルエンジン、KE31型である。
KE31型はJH4型をベースとして、パーツの互換性を持たせて設計された。そのため、クラッチからトランスミッションに至るまで、JH4型とパーツが共用されていた。ただし、ガソリンエンジンに比べ高圧縮となったKE31型は、クランクシャフトにクロームモリブデン鋼を奢るなど、高強度・高耐久性を実現している。
我が国初の画期的な小型高速ディーゼルエンジンとして自動車技術会賞を獲得した名エンジンは、CJ3B-JC3やJC10などに搭載された。KE31型は1970(昭和45)年に4DR5型を搭載するJ54にモデルチェンジするまでの12年間、ディーゼルジープのエンジンルームに収まっていたのである。またその間、ジープのみならずトラックやマイクロバスなどにも搭載されており、当時の三菱を代表するディーゼルエンジンと言っても過言ではない。

型式 KE31
燃料 ディーゼル
ボア×ストローク(mm) 79.4×111.1
排気量(cc) 2,199
弁配置 OHV
圧縮比 19.0
最高出力(HP/rpm) 61/3,600
最大トルク(kgm/rpm) 14.0/2,200
搭載車種 JC3、JC10、J3RD、J20D、J30D
生産時期 昭和33年7月~昭和45年

三菱ジープ最終生産記念誌より