三菱ジープ歴代ディーゼルエンジン.その2

4DR5

小型高速ディーゼルエンジンとして好評を得ていたKE31型も、時が流れるにつれて更なるパワーアップが望まれるようになった。
4DR5型は防衛庁に納入されていたJ54A搭載の4DR1型(2,384cc)をベースに、ボア×ストロークをそれぞれ拡大させた2,659ccとなっている。
パワーアップを実現させるため、この4DR5型には渦流室式が採用され、燃焼室の形状は燃焼効率が高いと言われる半球形に似たつり鐘型に設計されている。これにより、燃焼室内に送られた空気と燃料がよく混ざり、理想的な燃焼を促すのだ。
このディーゼルエンジンの基本設計は現在でも充分に通用している。それは、4DR5型の発展型であるJ53の4DR6型エンジン、さらに小変更こそ施されているものの、インタークーラーターボを装着した4DR5型が最終型のJ55に搭載されているのを見れば分かる。この4DR型シリーズこそジープエンジンの中で最も息が長く、28年間にわたって生産されたエンジンなのである。

型式 4DR5
燃料 ディーゼル
ボア×ストローク(mm) 92×100
排気量(cc) 2,659
弁配置 OHV
圧縮比 20.0
最高出力(PS/rpm)75PS/3,700(前期)
80/3,700(後期)
最大トルク(kgm/rpm)16.5/2,200(前期)
18.0/2,200(後期)
搭載車種 J54、J24H、J36、J44、J55L、J24A/P防衛庁
生産時期 昭和45年~昭和58年(注)前期型は昭和47年迄