三菱ジープ歴代ディーゼルエンジン.その3

4DR6

交通の流れが速くなるにしたがい、4DR5型ディーゼルエンジンのハイパワー化が望まれていた。そんな折り、ディーゼルターボの4DR6型がJ53に搭載されて発売になった。なお、このエンジンは直噴ながら、1985(昭和60)年に実施された騒音規制に適合している。
4DR6型ターボは4DR5型をベースに、燃焼室を渦流式室から直噴式に変更し、パワーアップのため三菱重工製のウエストゲート付きTD04型ターボチャージャーが装着された。最高出力は80PSから94PSと約20%も向上し、最大トルクに至っては最強のジープエンジンと呼ばれたG54B型の21.3kgmに肉薄する21.0kgmを実現した。2,000rpmという低回転域から大トルクが発生されるため、ターボラグはほとんど感じられない。また、エンジン内部もハイパワー化にしたがい、潤滑・冷却系などの詳細に至るまで変更されている。
しかし、1994(平成6)年には排出ガス規制と自動車NOx総量規制法により、新エンジン4DR5型インタークーラーターボにその座を譲ることとなる。

型式 4DR6(直噴ターボ)
燃料 ディーゼル
ボア×ストローク(mm) 92×100
排気量(cc) 2,659
弁配置 OHV
圧縮比 17.5
最高出力(PS/rpm) 94/3,500
最大トルク(kgm/rpm) 21.0/2,000
搭載車種 P・S-J53、J23A/P防衛庁
生産時期 昭和61年~平成6年