三菱ジープ歴代ディーゼルエンジン.その4

排出ガス規制と6都道府県で施行された自動車NOx総量規制法をクリアさせたエンジンが、J55に搭載された4DR52TI型(一般的には4DR5または4DR52と表記)である。
4DR5型インタークーラーターボは、4DR6型の直噴式燃焼室を渦流式に戻し、TD04型ターボチャージャーにデンソー製のインタークーラーを装着している。その他、電子制御式EGRの採用や燃料噴射系、排気系などにも改良が加えられた。
パワーダウンとなりがちな規制対策を施された4DR5型インタークーラーターボだが、4DR6型を上回る動力性能を得ることに成功している。何と最高出力100PS、最大トルクは過去のジープエンジンを全て上回る22.5kgmを叩き出す。しかし、J55の最終生産記念車を最後にこいつも生産打ち切りとなる。
この高性能ディーゼルエンジン4DR5型インタークーラーターボこそ、ディーゼルエンジンのロングセラー4DRシリーズとしての28年間、そして45年にもわたったジープの歴史に終止符を打ったエンジンなのである。

型式 4DR5(渦流式インタークーラーターボ)
燃料 ディーゼル
ボア×ストローク(mm) 92×100
排気量(cc) 2,659
弁配置 OHV
圧縮比 21.5
最高出力(PS/rpm) 100/3,300
最大トルク(kgm/rpm) 22.5/2,000
搭載車種 KB-J55、J25A/P防衛庁
生産時期 平成6年~平成10年

三菱ジープ最終生産記念誌より