三菱ジープ20系

三菱ジープ20系


高い実力を秘めたミドルサイズ・ジープ
CJ3B-J3が右ハンドル化される前年の昭和1960(昭和35)年に、キャンバストップ/メタルドア仕様のミドルホイールベース車としてデビューしたのがJ20系。そして、4年後の昭和1964(昭和39年)にハードトップ版であるJ20Cが登場し、以後J22Hへと変遷。これがJ20H系である。
J20系は、メタルドア化による乗降性向上や、ホイールベースの延長による荷役性、人員輸送力アップが図られた、主に建設業向けに開発されたジープである。ただし、ハードトップ仕様のJ20H系は、その後、個人ユーザーをターゲットとする方向に向かい、J26H以降のカタログには、完全にレジャー指向のジープとして紹介されている。
また、フロントシートをセパレート・タイプとし、フロアシフト仕様としたBタイプが初めて登場したのも、このJ20/20H系(J24/J22H)である。
J50系のホイールベース:2,030mmに対し、2,225mmのミドルホイールベースを与えられたJ20(H)系は、より直進性に優れ、加えて前後軸の荷重配分がほぼ5:5に近く、バランスの良いジープに仕上がっている。ご存じのとおり、自衛隊に納入されてきた旧73式小型トラックも、このJ20系がベースとなっているのだ。
J50系に劣らぬ悪路走破性を持ちながら、最大で7名の定員乗車数を誇ったJ20系は、実用面ではJ50系を上回る実力の持ち主。自衛隊の制式採用がそれを物語っている。